ヘルスプロモーション活動
ヘルスプロモーション活動とは
HPH(Health Promoting Hospitals and Hralth Services)健康増進活動拠点病院
定義(WHO用語集から)
- 患者の健康だけでなく、医療スタッフや地域住民に対しても保健衛生活動を行う。また積極的に組織形態を「健康的な組織」に変革しようとしつづける。
- 1988年に始まったもので、病院やヘルスケア施設において、こうした理念をより広く浸透させていくための国際的なネットワークが築かれている。
HPH(健康増進活動拠点病院)とは、ヘルスプロモーションを実践するために、WHO(世界保健機構)が1988年に開始した国際的な病院とヘルスサービスのネットワークです。日本HPHネットワークによると世界全体では約900の事業所が加盟しています(2020年現在)。HPHは患者さんの治療や看護だけでなく、患者さんと地域住民の皆さん、病院で働く職員の健康づくりも重視して取り組むことが特徴です。
HPHが結成された理由は、高齢化が進行し多くの人が何らかの慢性疾患を持ちながら生活する時代にあっては、治療にとどまらない新しい役割が病院に要請されたからです。その役割とは、誰もが地域で健康に生活できるように、病院がヘルスプロモーション活動を実践し健康な地域づくりに貢献する事です。特に、健康格差が広がる時代では、全ての人が健康な生活をおくれるように貧困などの社会経済的な問題の克服を重視するヘルスプロモーション活動が必要とされるようになりました。
くわみず病院は、くまもと健康友の会とともに取り組んできた地域での健康づくり活動、患者さん、職員に対する健康づくり活動は以前から重視して取り組んできましたが、HPH加盟を機にさらに推進していきます。
くわみず病院の取り組み
患者さんとの取り組み
くわみず病院は、患者さんを対象にしたヘルスプロモーションの推進に取り組んでいきます。喫煙、飲酒、栄養状態、経済的困難、孤立を把握し、リスクの高い患者さんを把握し、「気になる患者さん訪問」を定期的に行い、多職種と共同して手遅れ事例をなくす取り組みを実践しています。
地域との取り組み
くわみず病院では、近隣の校区向けで民生委員の方々にご協力をお願いし、「いきいきサロン」を協同で行っています。
職員との取り組み
くわみず病院では、職員の健康づくりに取り組んでいます。具体的には職場の健康リスクを軽減し、働きがいのある職場づくりを目標に「始業前体操(腰痛予防)」「アルコールアンケート」などを実践しています。
ALLYの取り組み
くわみず病院のいたるところに、レインボーフラッグを掲げています。このレインボーフラッグは、セクシャル(性的)マイノリティのシンボルマークとして使われています。この旗には、「性」というものは男女2種類だけでなく「多様性」があるものだという意味が込められています。
日本国内では、LGBTQsの方々が医療機関にかかりにくい傾向があると報告されています。当院では、「全ての人がかかりやすい病院」を目標に LGBTQs当事者をお招きした職員学習会を数回開催しています。また、職員は「ALLYバッジ」をつける職員が増えています。このバッジには、 LGBTQsの方に限らずどのようなバックグラウンドがある方も公正に医療を受けれるようにという気持ちも込められています。また、これらの旗やバッジには、私たちはセクシャルマイノリティの方を支援し、セクシャルマイノリティの方がまわりに当たり前にいる社会だという事を理解し、学び、誰もがかかりやすい医療機関を目指している事を意味が込められています。
当院の基本方針にある「性のあり方を含めた多様な価値観を尊重した病院づくりに積極的に取り組みます。」はこうした意味を反映しているものになります。
外来や入院、健康診断等でご相談が必要な方は、病院スタッフにお気軽にお尋ねください。
※ALLY(アライ)とは?
ALLYとは、「支援者」という意味です。LGBTQs当事者であっても、当事者でなくても、LGBTQsの方を理解し、支援する人を表現する言葉として使われています。また、諸外国ではALLYという言葉は、LGBTQsの支援者に限らず、様々なマイノリティの方の支援者を表す言葉として使われています。